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カメルーンの刃物今昔

昭和35年に発行された「秘境マンダラ 最後の裸族」ルネ・ガルディ著、大久保和郎訳、二見書房発行。この本の中に日本と同じような「たたら」で刃物を造っている部族が紹介されている。
仏領カメルンの「マタラ」にはフランス航空の四発の定期便が週二回運航している。「マタラ」から陸路「モコロ」へ。チャド湖のおよそ100km程南方のナイジェリアとの国境付近の山岳地帯は「マンダラ」と呼ばれ、ここには二十万人くらいの未開の土民がおり、モコロはマンダラ地方で唯一、二十四、五人のヨ−ロッパ人が居住している山地の名称。マンダラの道も無い山々のなかには十いくつものそれぞれ異なる部族がほとんど城砦にも似た氏族共同住宅に住んでいる。その中にモコロの北の山塊をすみかとする約8万人ほどの種族が「マタカム」。マタカムには日本のタタラと同じような方法で刃物を造る。火を取り扱うことができ、しかも川砂を鉄に変える鍛冶師は、当然マタカム人の間では全く特殊な地位を占めている。鍛冶師は祭式の主宰者である魔術師であり、事実上の司祭である。鍛冶師の家族はほかの家族とはまじわらない。何人も鍛冶師と同じ皿では物を食べない、何人も彼と並んで同じ石に腰をおろさないなどあたかも「黒いへパイストス」。しかし、ヨ−ロッパ人の工場やガレ−ジてドラム缶や自動車のスプリングの折れたものなどが手に入るようになると彼らの先祖代々伝わる鍛冶の技術は途絶えてしまうだろうとも記されいる。この調査は1945年頃、この頃から半世紀以上経過した現在のマルア郊外の鍛冶屋村では車を解体したものを材料にして刃物が造られいる。そこで造られた刃物やマルア郊外の鍛冶屋村やモコロの水曜市の写真など掲載いたしました。50年余の時の経過は、マタカムの人々生活レベルを上げた反面先祖代々伝わる鍛冶の技法は消滅させてしまった。人間は生活が便利にそしてゆたかになると人間本来の技術(知恵)は逆に下降していくようです。

注)へパイストスはギリシャ神話の火と鍛冶の神


ア フ リ カ 地 図
中央アフリカとナイジェリアの間に位置するカメル−ン。北部にある湖がチャド湖



マルア(赤文字)週二回、フランス航空の定期便が運航していた。(当時)
マルアから陸路モコロ(赤文字)、ここを本拠にマンダラの秘境に入りマタカムの鍛冶師にも出会う

マタカム族の刃物つくり
川砂を鉄に変える鍛冶師はマタカム族のヘパイスト。魔術師で司祭で神と崇められていました。
マタカム族は今から60〜70年位前まではこのようにして刃物を作っていました
刃物造りの工程

炉 の 全 景
炉の上にいるのはふいご係りの若者、下にいるのは鍛冶師とその助手。
粘土で固めた炉に木炭を入れふいごで空気を送り真っ赤になり十二分に
温度が上がってから水の無い川底から集めた磁鉄鉱を炉に入れる。
一昼夜経過後炉の火は消され中から鉄塊が取り出される。


炉から取り出された鉄塊
炉から取り出された鉄塊は鍛冶師の自宅へ運ばれる。この段階では燃え
きらなかった木炭と熔融した石英質の砂の混合物で精錬された鉄ではな
いので石の金床の上で叩いて鉄だけ固まったところを選りだす。この鉄片
を細かく砕き鍛冶場の炉で溶かし加工し鉄棒状にする。


刃 物 造 り
鉄棒状に加工された材料を赤らめ石の金床の上で叩いて形を作っていく、
焼きいれも水に入れると割れが生じ脆くもなるので水で薄く溶かした粘土
で入れる。残念ながら現在ではこの鍛冶師の技法は完全に消滅している。

これらの工程は日本の刃物造りとも非常似て居る個所が多い。

注)上記写真は「秘境マンダラ」から抜粋



現代のマルア郊外の鍛冶屋村・モコロの水曜市

半世紀以上経過した現在では、面倒なたたらで鉄を鋳造しなくても簡単に車の解体材料などが手にはいる。その結果たたらの技法は幻のものとなってしまった。

マルア郊外の鍛冶屋村
(撮影日2001/1/16)
マルア郊外の鍛冶屋村
(撮影日2001/1/16)
マルア郊外の鍛冶屋村
陳列されている各種刃物
(撮影日2001/1/16)
マルア郊外の鍛冶屋村
陳列されている各種刃物
(撮影日2001/1/16)
マルア郊外の鍛冶屋村
陳列されている各種刃物
(撮影日2001/1/16)
マルア郊外の鍛冶屋村
材料となる車のスプリングも見える
(撮影日2001/1/16)
マルア郊外の鍛冶屋村
陳列されている各種刃物
(撮影日2001/1/16)
マルア郊外の鍛冶屋村
作業中の鍛冶職人
(撮影日2001/1/16)
マルア郊外の鍛冶屋村

(撮影日2001/1/16)
モコロの水曜市の鍛冶屋
陳列されている各種刃物
(撮影日2001/1/3)
モコロの水曜市の風景

(撮影日2001/1/3)
モコロの水曜市風景
入り口付近
(撮影日2001/1/3)
ヒデの木曜市

(撮影日2001/1/4)
バフ−サム仮面ダンス

(2001/1/18)
バフ−サム仮面ダンス

(2001/1/18)


マルア郊外の鍛冶屋村で
車の解体材から作られた刃物



全長/360mm 重さ/260g
タイヤのホイルを利用し、手元には木柄にして握りやすいようにつくられている。

@とげ抜き
全長95mm  重さ5g 左側がとげ抜き、右がとげを抜き易くするために先を尖らした針
A縫い針
全長110mm  重さ8g 糸通しの穴は糸が外れないように中に挟んで折り込んでいる。
B小型鎌
全長185mm  重さ13g 手前は木柄に差し込めるように尖らしてある。
C庖丁(ナイフ)
全長315mm  重さ75g しなう様な薄板を加工した両刃(両側とも刃)庖丁。刃部のところは叩いて尚一層薄くしある。


アックス
全長410mm  重さ330g 刃巾40mm
釿同様車の板バネを使用し、柄に食込むように三角形につくられている。柄もバランス、使いやすさを考えカ−ブしている柄が付いている。



釿(チョウナ)
全長300mm 重さ550g 刃巾60mm
硬い木を削るため車の板バネを使用している。また、刃部全体を三角形にして打ち込む度に柄に食込み抜けにくくなっている。




鋏(ハサミ)
全長280mm 重さ250g
刃の裏側を叩いて凹ます、お互いの刃を内側反らせるなどハサミが切れる原理を理解して作られている。



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